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たからもの物語 [5] Disney Catalog

  J 11か月。一人で立ち上がり、5ー6歩歩けるようになりました。体重/身長、先月とあまり変わらず。



5月中旬・ディズニーの撮影
5月に入ってすぐに、ディズニーの撮影日が押さえられた。今度こそ、撮影されるかな?と、わくわく。 押さえられた撮影日は3日間(5/15、16、17)あって、結局、5月16日が撮影日に決定した。
撮影場所は、前回(ワーナーブラザーズ・スタジオ@バーバンク)と違って、Pasadena という、ロスのダウンタウンから北へちょっと行った住宅街の一軒家であった。Jの現場入りの時間は9時15分で、海の近くに住む私達は(朝のラッシュアワーにダウンタウンを通り抜けなくてはならないから、時間的に余裕を見て)朝の8時すぎに出発。午前中、たいていは10時頃まで寝ているJは、ぐっすり寝たまま車に乗せられて、平均就寝時間が午前2時過ぎの母(私)は、寝むぅ〜い眼をこじ開けて、撮影に行きました。

さて、撮影場所となった家は、そこそこの豪邸(ロスの場合、超豪邸って言うのも、ありだから<笑)。子供用の「遊び部屋」がちゃんとあって、そこが私達の控え室となっていた。現場に行くと、また Carson君がいた。もう一人いたのは、初対面の Bennett 君。で、スタジオ・ティチャーは、前と同じ人(Danny)。顔見知りが多い現場(スタッフも、前のディズニーと同じだから)は、慣れた気持ちにさせてくれる。
そこで現場のスケジュール表を垣間見る機会があった。
今回の撮影も、どうやらハロウィンのコスチュームのようで、私達が入ったとき、すでにプゥーさんの衣装を着た白人の男の子が撮影していた。それが朝一の撮影で、Jim 君(プリンシパル@撮影中@私達が着いたとき)で、同じ時間に入っていたのがCarson 君 (今回はバックアップ)、その次が、J (プリンシパル)と Bennett 君(バックアップ)。ただ、Bennett 君は、Jと組むには、驚くほど「大きい」赤ちゃん。1歳3か月という彼は、Jよりもはるかに「でかい」。でも、まぁ、それが制作側の企画ならば、仕方ないよね? でもって、Jは(再び)前回のディズニーの時にバックアップで着る予定だった、Eeyore のコスチュームとなっていた。なのに、しばらくするとスタイリストさんが、Jに Piglet のコスチュームを持ってきて「着せてください」って。

で、Jに着せてみたら、ぴったりで超可愛い!!(*^。^*)  親バカながら、「これなら、いただき?」なんて思っていたら、スタッフが「あぁ〜。Jの衣装、Eeyore だったのよね、オーディション写真で Piglet 着てたから、間違えちゃったわ」で、Jは Piglet の衣装を脱がされ、Eeyore の衣装に着替え。
でも着せてみたら、Eeyore の衣装は大きすぎて、毛布を着ているみたいだった(;;)。どう頑張ってみても、大きすぎ。親としてみたら、「あっち(Piglet )を着せたいなぁ〜。これじゃ、だめだわ」って心情。スタッフも何だか相談をしている。。。で、結果、身体の大きい Bennet 君に Eeyore を着せたら丁度で、Jは急遽、本番でも Piglet を着ることになった(^^)。
でも撮影の順番が、Eeyore の次になってるので、Jはしばし待機。私としては、「早くしないと、お寝むになっちゃうよぉ〜(^^;)」。また、衣装をずっと着ていると暑くなってしまうので、本番までJはおむつ一つでカーディガンを羽織らせておいた。そして、本番。スタッフに囲まれて、あやされて、きゃっきゃと声をあげて笑っているJ。私の姿を見るとはって来ちゃうので、私はライトの影に隠れて、遠くから「仕事中」の娘を眺めていた。すると、スタッフの声が耳に入った。「信じらんないくらい、仕事がやりやすい赤ちゃんねぇ。この子はいただきだわね(she's a keeper )」のプロデューサーのせりふに、私は耳がダンボ状態(^○^)。まだディズニーの仕事、来るかしらん?なんてほくそ笑んでしまった。

何ロールかのショットを撮り終わったころ、ちょっと疲れが出たのかJ、指しゃぶりを始めてしまった。ここでカメラマンが、ライティングを変えるからと、ポラロイドでテストショットを撮り(下↓)、「じゃぁ、ちょっとJは休憩して、本来 Piglet を着るはずだった赤ちゃんに衣装着せてみて、撮ってみようか」ということに。で、Jが控え室に戻ると、この前の TARGET でJのバックアップだった、マッキャーラちゃんがいた。何と、彼女が Piglet のプリンシパルだったのだ。で、そのマッキャーラちゃんのバックアップが、これまた Baby GAP の時に一緒だった赤ちゃん(白人の女の子、Laurenちゃん)。うぅーーん、やっぱりハリウッドの赤ちゃんモデルの世界、狭いかも?


かぶりモノを着たJ。違和感ないよねぇ(笑)。


楽屋でJにミルクをあげて、ちょっとお菓子をあげたりしてゆっくりしていたら、撮影現場の方から、マッキャーラちゃんの大泣き声が聞こえてきた。かなり、ひどく泣いている。で、本来ならば、マッキャーラちゃんのバックアップの Laurenちゃんにお呼びがかかるんだけれど、スタッフにすっかり気にいられていたJだし、「またJで撮ってもらえるか?」と、機嫌がよくなったJをわざわざ撮影現場の方に連れていって、すぐ横の方で静かに二人で遊んでいた(私は、もう全身を耳にして、呼ばれるのを待っていた感じ<笑)。

一生懸命にあやすママとスタッフの努力も虚しく、大粒の涙を流して泣き叫ぶマッキャーラちゃんに、カメラマンはふっかぁ〜い溜め息をついて頭を抱え、「Jはどう?」ってスタッフに聞いたので、即「ここにいます。調子ばっちり!」って真横で答えたら、カメラマンを驚かせてしまった(自爆)。でJで撮影完了。2時間のお仕事で、帰路につくなりJはぐっすり。
現場で大泣きしちゃったんだから仕方がなかったとはいえ、マッキャーラちゃんのママはきっと「また、あの東洋人にやられたぜ」とか、悔しく思ってるだろうなぁ〜(本当に、気が強そうなヤン・ママなんだもん、マッキャーラちゃんのママ<^^;)と、ちょっと悪い気がした。ターゲットに続いて今回と、2回も続けて彼女の出番を無くしちゃったんだもんね。ま、Jが悪いんじゃないけど(へっへ)。

5月下旬・テレビCMオーディション
ディズニーの撮影のあとは、しばらく静かだった。4月の大忙しが、嘘のよう・・・(^-^)。まぁ、もともと赤ちゃんのオーディションは少ないって言われてたし、4月は多分、アパレル業界の「秋用広告」制作の時期だったのでしょうね(ってことは、7月が、「冬物」で忙しくなるのかなぁ???)。
そうしたら、下旬、テレビCMのオーディションが入った。モノは、Asterix Clothing という会社のCMで、これは決まったら、アメリカだけでなく、世界で流されるコマーシャルだという。「きゃぁ〜スキテっ(決まればね<笑)」。 オーディションは5月30日、午後4時前にサンタモニカのVillage Studio という場所であった。カジュアルな服を着せてきてというので、Baby GAP のオーディションで受かったときの服を、縁起をかついで着せていった(笑)。会場は、時間帯がおおまかだったせいか、他に来ている人は10歳前後の女の子が二人。赤ちゃんはいなかった。みんな、早い時間に終わったのかな?
印刷モノのオーディションと違って、CM(フィルム)はビデオでのオーディション<Jの写真を忘れずに持っていく。カメラ前に立ったJは、ふらつく足元で、歩こうとする。歩けるようになったばかりだから、じっと立っているのは嫌らしい(^^;)。それでも、顔は満面の笑顔。歩けるのが、嬉しいんだね(^^)。
カメラテスト(オーディション)は、ホンの数秒で終わる。帰りしな、ちょっとデスクのリストを覗いたら、そこに「Baby(赤ちゃん)」のカテゴリーはなく、Jは「toddler(よちよち歩きの子供)」として、リストされていた。てっきり「赤ちゃん」で呼ばれていると思ったから、ちょっとびっくり。だってJは、その Toddler もどきになったばかり。まだ、たくさん歩けないよぉ〜(;;)。かなりの数の「toddler(よちよち歩きの子供)」がオーディションを受けているのを知って、ちゃんと歩けないと不利かな・・と思った。

ところが翌日、エージェンシーから電話で Call back が来たとの連絡! 「明日、次のオーディションがあります。服装は、白いTシャツにジーンズで行ってください」。うぅ〜〜ん、Jはオーバーオールのジーンズは持ってるけど、ただの「パンツ」は持ってない(^^;)。ここが私のステージママ度が試されるときかも知れないなぁと思いつつ、ちょうど水曜日はJが通っているPlay & Music(遊びの音楽の教室、ショッピングモール内である) の Gymboree に行く日だったので、そのついでにちょっとお店を見てきた。で、買ってきましたよ、ブルージーンズ! きっと、出かける用事がなかったら、これだけのために買い物には行かなかったと思うけどね(笑)。

さて、その call back だけれど、同じ場所で SEGA のオーディションも行われていたから、会場はJくらいを最年少に、小学生からティーンエイジャーまでいて、ごった返し(@@)。でもって、Asterix の call back が後回しにされて、SEGA のオーディションが先になっちゃったから、3時40分と、きっちり来る時間を指定されていたにもかかわらず、私たちは待つはめになった。
でもちょうどお昼寝時間のJは、会場到着のころには車の中で寝ちゃっていたので、「一時間くらい、お昼寝だから、待ってもいいかな?」なんて思いながら、そのままずっとローラーの中で寝かしておいたら、ぎゃぁ〜ぎゃぁ〜と騒がしいスタジオの待合い室で、くーくーと寝息をたててぐっすり。太っ腹だわ(笑)。で、本当に一時間以上待たされちゃって、Jを含む「toddler/よちよち歩き組」は、一番最後のオーディションだった。
待ち時間の時、隣に座った母子(娘11歳)に聞いたのだけれど、そのお嬢さんは半年ほど前に、マクドナルドのCMをやったらしいんだけど、今までに residual (印税のようなもので、出演したCMが放送されるたびに貰えるギャラ)が6〜7000ドルも来ているんだって。マジで、前にTARGETの撮影の時、マッキャーラちゃんのママが言ってた、「娘にテレビのCMやらせて、年収2ー3万は稼がせたい」って、まんざら不可能な数字じゃなかったんだって思った。
ただし、今回のオーディションは、テレビCMとはいえ、non-union の仕事。組合の規則に準じた仕事じゃないので、ギャラは一発払いで、residual はない物。ちょうど組合がストライキ中だったから、「えーー、テレビCM(の、オーディション)が来たの?」って驚いたんだけど、non-unionものだったのでした。ま、それでもテレビの仕事はまだしたことがなかったので、決まれば嬉しいなぁ〜と思ったんだけど。

この日、Jと同じカテゴリー(toddler/よちよち歩き)のモデル候補で call back に来ていたのはJを入れて4人の女の子達。ただし、全員Jよりも大きく(月齢がいっているということ)、みんな「歩ける」どころか、「走れる」子達ばかり。このときJは、3日後に満一歳の誕生日という時で、やっと歩き始めたばかり。他の子は、一歳6か月とか、1歳8か月とか。もう、Jに比べると、全然「幼児」。相手が欲しかったのは「toddler/よちよち歩き」ってわかってたから、これは無理だなって思った。
可愛らしさでは、負けてないと思ったけど(親バカ<自爆)、残念ながらこの仕事、来ませんでした。せっかくジーパンまで買いに行ったのに・・ね。ま、また次があるでしょう。

ーーーさて、この日、オーディションのあとに思ったこと。
エージェンシーに登録したころは、お座りをするのがやっとで、どこから見ても「赤ちゃん」だったJなのに、いつの間にか、子供らしい顔つきになっている。これからJは、もう「赤ちゃん」ではなくて、「幼児」としてのモデルをすることになるのね・・。そう、キッズ・モデル。赤ちゃんモデルと呼ばれることができる時期は、本当に短くて、そんな頃にいくつかの仕事をし、写真が残って、良かったなぁって。
そして、「幼児」になると、モデルをしている子の数も増えるから、それだけ競争も激しくなって、オーディションに受かるのが難しくなるんだろうな・・とも思いました。だって、年令層だって、赤ちゃんのころみたいに「8か月前後」とかいうふうに、限られないどころか、1歳半から3歳くらいまで、多分、同じデザインの服とかを着るモデルが呼ばれると思うから、候補者の数が赤ちゃんモデル時代に比べて、どっと増えそうな気がする。それに、赤ちゃん時代は、それこそ「人見知りしない、愛想のいいこと」が仕事をするうえでの大切なファクターだったけれど、一歳を過ぎれば、だんだんみんな人の言葉を理解してきて、「赤ちゃんのくせに、知らない人に囲まれても、泣かない」というJの、仕事上ラッキーなキャラクターも、その特異性が薄れてくる。これからのJのモデル物語は、まったく新しいものになるんじゃないだろうか?
そんなことを思うと、あっという間に終わった赤ちゃんモデル時代の数か月が、なつかしく、もう「Baby Model ベビーモデル」ではなくて、「Child Model キッズモデル」と呼ばれるようになるJのことが不思議に感じられた。子供の成長、時間のたつ早さには、本当に驚くばかりだ。〔しかし、実際に子供が「赤ちゃんモデル」を卒業するのは、もっとあと、3歳すぎだと、あとで知る・・・。〕

Jは、もうすぐ満一歳。この前まで、ちっちゃくて、壊れそうだった赤ちゃんも、一人で立ち上がり、自分の足で歩き始めた。。。

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