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たからもの物語 [16] 遂に!テレビCM・主役ゲット
2004年8月末、Jと生後間もない弟のG。良く似てるでしょう?(^^)
2004年9月CMの主役をゲット!?
さて、私は8月25日に帝王切開で2人目の子どもを産み、しばらく産休・・・。小
さな家族が増えたうえ、9月9日から、Jの幼稚園が始まったりと、まったく新しい生活環境がスタートしました。
Jを産んだ時にはラジオのレギュラー番組を持っていたので、まったく「産休」がなかった私は、今回は、自分の年齢を重視し(笑)、ゆっくりしようと決
意。また日本から主人のお母さんが来てくれていたので、しばし、自分の仕事なども忘れて、新生児の世話に明け暮れていたのですが、9月16日、Jにオー
ディションの連絡がきました。
モノは、以前もオーディションに行ったコトのあるCMで、First 5 California という、州の教育メッセージCM。
これは residual job、または union job
と呼ばれる種類の仕事で、組合の基準にしたがって、放送されるたびに仕事料というか、放送印税のようなものが入るという仕事。過去に2本のCM仕事をゲッ
トしていたJですが、どちらも non-union job
で、撮影の時に撮影料としてのギャラが出るだけ(つまり、放送頻度に関係なく、ギャラは一度、支払われるのみ)だったので、お金のために子供に仕事をさせ
ている訳ではありませんが、一度はさせてみたいと思っていたタイプの仕事です。
なので産休中でしたが、オーディション会場が、自宅から3キロほどの超ご近所だったこともあり、このJのオーディションで出産後、初めて私は、自分で車
を運転して外出しました。
オーディションは、一度に数人の子供が一緒に受けていたので、すぐ順番になり、あまり待つことなく終了。Jはオーディションよりも、久しぶりにお母さん
と2人きりのお出かけに、近所とはいえ、嬉しそう。私は、「初の residual job、決まりますように!」と、密かに祈っておりました。
すると翌週、この仕事のコールバックがきました(^^)。夕方6時からのコールバックで、また同じ、ご近所のオーディション・スタジオに行くと、今回
は、すごくたくさんの人が来ていました。なんだか、3つくらいの違うパターンのCM(すべて First 5
California)を同時にオーディションしているようでした。
多くの人で混雑するスタジオで、一時間近く待ったでしょうか。やっとJの番。たいてい、最初のオーディション(一次オーディション)では、数人の子供が
同時に受け、コールバックでは、一人づつ受けるのですが、今回は、また3人くらいの子供が同時に中に呼ばれていました。
そして出てくると、スタッフの人に「Jは、そのまま残ってください」と言われたので、私は「!じゃぁ、2次オーディション、受かったってこ
と???」と、ちょっとワクワク。時間はすでに7時を回っており、この日、私は朝から、緊急の通訳仕事で出ていたため(産後の初仕事)、かなり疲
れていましたが、オーディションで待つのは慣れっこのJは、私よりも元気。
そして8時過ぎ、Jは、本番でのシーン設定のためか、ママ役の女性と、マーケットのおじさん役の人と一緒にスタジオの中に呼ばれました。中では3人で、
演技をしてのオーディションになっているのでしょう。しばらくして出てきたママ役の女性が「この子は凄かったワ。しっかり演技して、she
should be an actress(彼女は女優になるべきよ)」と、Jのことを褒めてくれました。
そして翌日、エージェントから電話で「Jがホールドになったので、来週のスケジュールを、空けておいてね」。待ちに待った residual job
に、果てしなく近づいたので、かなり興奮しました。
「まだ決定じゃないの?」と、涙声で聞いた私(←ウソ)に、エージェントは「決定だったら、決定って言うから、ホールドとは言わないわよぉ(笑)」だっ
て。「決定したら、明日には電話するから、OK?」とのことに、翌日は久しぶりに、エージェントからの電話を心待ちにしていました。
そしてそして翌日、ついに来ました、residual job 決定!!! でも、週明けの月曜日に、片道45分くらいの遠い場所まで衣
装合わせに行かなくてはならないことが判明し、すでにおばあちゃんは帰国し、生後4週間の赤ちゃん同伴で行動しなくてはならない私は、手放しでは大喜びで
きない状態・・・(ー。ー;)
また、衣装合わせの翌日から2日間にわたって行われる撮影は、すべて野外ロケと聞き(それもまた、遠い場所でです)、「げっ、どうしよぉ〜」と、さすが
の私も額に縦線が入りました。「私一人で、終日の野外ロケ、生後4週間の乳飲み子を抱えては、ちょっと・・・」と、悩みに悩んでいたら、親友のジゼルが、
「午後1時頃までなら、手伝えるよ。Gを見ててあげる」と、助けの手を差し伸べてくれた。あーー、持つべきものは、20年来の親友。良かった、これで少な
くとも、午前中は私一人じゃない。
9月27日、CMの衣装合わせに、おくるみに包まれたGをベビーシートに乗せ、幼稚園が終わったJを拾い、イーグルロックという場所まで行って来た。道
中、Gはぐっすり寝てくれたので、一安心。なんたって、フリーウェイを5つも乗り換えるほどの遠出だから、途中で泣かれたら、たまらない(^^;)
衣装合わせは、同じ First 5 California
の(Jの出るのとは)違うバージョンの撮影現場で、衣装部のトラックの荷台のコンテナの中で行われました。その日の気温は、多分30度くらい。コンテナの
内部は、さらに高温で、超暑いにもかかわらず、扇風機が一台あるのみの状況下で、汗だくで長そでの衣装を取っ換え引っ換え、着替えるJ。
そしてイスひとつ無い、衣装で一杯のコンテナの中で、脚立を見つけ「ここに座っていいかしら?」と、そこで、これまた汗だくで、泣き出したGをかかえ、
お乳をあげる私。かなり悲惨(;;)<でも、あとで、この衣装合わせに行ったこと自体にギャラが出たことが判明。ふーーん、residual
job(=union job・組合の労働基準に沿っているもの)って、素晴らしい(笑)
あと、この日の衣装合わせで発覚したことがありました。
衣装部のトラックの壁に貼ってあったプリントによると、Jは、Asian superkid というタイトルのCMの、superkid
役となっていました。ということは、主役???? でも、superkid
役には、2人の東洋人の名前があり、Jがプリンシパル(メイン)なのか、バックアップ(控え)なのかは明記されておらず、わからない。衣装合わせには、同
じ時間に、もう一人の女の子も呼ばれていたし・・・。
なので帰り際、翌日のスケジュールとロケ場所の地図をもらう時に、ドキドキしながらスタッフの人に「Jって、プリンシパルですか? それとも、バック
アップ?」と聞いてみました。すると、「Jが主役だよ。心配しないで」と言われたのです!!
きゃぁ、初の residual job
で、主役だなんて、嬉しすぎ〜!!(>。<) あとは、本番、Jが立派に仕事をこなし、乳飲み子のGが、お利口さんでいてくれることを、祈るのみ・・・。
帰り道のフリーウェイで泣き出したGに、運転しながら
formula(粉ミルク)を作り、後ろの席のJに「飲ませてあげて!」と手渡しながら、さて、明日・あさってと、どうなることやら、Jの初
residual job にワクワクしながら、間違いなく睡眠不足で臨む自分と、生後4週間のGのことを思うと、かなり不安な私でした。
撮影当日
Jのコールタイムは、朝の9時。サウス・パサデナというロスの北にある街での撮影で、ロスの西部、海岸の近くに住む私たちは一時間以上早くウチを出た。
撮影は、ナンか所かのロケ地を使うとのことで、ベースキャンプという場所に車をとめ、そこで制作の「チェックイン」係の人に到着を告げ、Jは衣装部に呼
ばれて着替えに行き、私はJが働くのに必要な書類などに必要事項を記入したり、サインをしたり・・・。食事や着替えは、すべてこのベースキャンプで行わ
れ、撮影には、そのつど、バンで移動ということだった。
まだ朝ご飯を食べていなかったJには、フードトラックからコーンフレークなどを取ってやり、私はドーナツをゲット、また、前の晩も夜中の授乳でゆっくり
寝ていなかったので、私は久しぶりにコーヒーを飲んで、気合いを入れることにした。
そして、「さぁて、撮影開始まで、落ち着くかぁ〜」と思う間もなく、お迎えのバンが来て「Jとママ、乗ってくださーい」と呼ばれてしまい、ちょうどタイ
ミング良く現れた親友のジゼルに赤ちゃんとバッグをたくし「この中に、ミルクもオムツも、全部入っているから、よろしく!」と頼み、Jと共にベースキャン
プをあとにして、撮影現場に向かったのでした。
この First 5 California のCM、superkid
編には、「アジア・バージョン」と「ラテン・バージョン」があり、両方一緒の撮影でした。ほぼ同じセッティングで、アジア版には、ウチの娘と、ママ役の
人、ラテン版には、ナディアちゃんというモデルと、パパ役の人という設定で、親子が仲良く一緒にプレスクールに通う姿を、カメラが追っていくというもの
(だから、Jは、出ずっぱりです!)。
午前中の撮影は順調でしたが、ベースキャンプに赤ちゃんを置いてきた私は心配でしょうがない・・・。なので、Jがきちんと仕事をこなしているのを確認し
てから、いったんバンでベースキャンプに戻り、スタッフの許可をもらって、ジゼルとGをベースキャンプから撮影現場の方に連れて戻りました。Jがしっかり
仕事をするのも大切だけど、まだ生後4週間のGだって、我が子ですからね、やっぱり手元において見ていないと、心配で。
共演したママ役の女優、Saemi Nakamura さんと。
顔に影が出ちゃっているのは、撮影現場では、私のカメラ、
フラッシュを使わないように、スタッフにガムテープを貼られていたため(^^;)
ちょっと押し気味で終わった午前中の撮影。バタバタとバンに乗ってベースキャンプに戻り、「20分で食べてください」の
スタッフの声に、焦って食事をする。私は、赤ちゃんにお乳もやらなくちゃだし、オムツも替えてあげたいし、自分のご飯も食べたいし、もう、戦争(笑)。そ
してジゼルは、食事の後、帰らなくてはならなかったので、午後の撮影は、私一人になるし、きちんと食事は取っておかなければ←腹が減っては、戦はできぬ状
態。
午前中は、彼女の助けがあったので、撮影中のJの様子を見たり、遠くからビデオを回したり、写真を撮ったりもできたし、幸いGは、ほとんど寝ていたから
楽だったけど、さぁて、午後はどうなるか・・・。
午後の撮影が始まる前、Jのバックアップだった女の子が、ランチを食べたあと、もう必要が無いと言われたのでしょう、ママと一緒に帰っていきました。午
前の撮影の間、ずっとベースキャンプで「待機」してたのに。
ウチの娘の控えだから、Jがうまくやれば仕事が無いのは仕方がないけれど、一応「選ばれて」「撮影現場に来て」、それで待つだけ待って帰るなんて、たと
え多少のギャラをもらったとしても、淋しいよね。仕事だから、シビアなのは現実なんだけど、そのバックアップの子供の気持ちや、彼女のママの気持ちを考え
ると、かわいそうに思ってしまいました。私自身、Jが撮影のバックアップで、待つだけで終わった経験がありますが、プリント物の撮影と違って、CMは、待
ち時間も長いし、仕事自体が「大きい」ので、さぞ残念だったことでしょう。
さて午後。朝の9時に撮影現場に入ったJは、エンターテイメント業界で働く子供のための規制で、午後3時半には終わらなくてはなりません(5歳児だと、
最高6時間半まで、撮影現場にいても良い)。その午後の撮影、時間にして2時間半くらいだったのに、Gが4回もウンチをするし、気温が上
がって暑くなったのでぐずるしで、大変でした(ぜぃぜぃ)。
撮影場所は住宅街の「道」で、Jとママが歩く姿を撮るだけなのですが、やれ光の具合が悪かった、うしろに車が通ちゃった、風が吹いちゃった・・・と、撮
り直しが多く、また短時間に3回も移動。私は荷物とベビーカーを動かしたり、Gを抱いたり、お乳をやったり、おむつを替えたり(折り畳み式のパイプ椅子に
のせて、道端で替えたのよ〜〜)と、もう汗だくで、撮影中のJがどうしているかなど、まったく見るヒマもなし。
そんな私に、何度かスタッフの人が来て「Jが呼んでます」って言われていくと、Jは「おかあさん、おなかすいた〜」って。もともとたくさん食べる子なの
で、ランチタイムが短く、しっかり食べられなかったので、お腹が空いちゃったようです。スタッフの人は気を使って、母親である私に何を食べさせるのかを聞
こうと思ったんだろうけど、赤ちゃんを抱いている私は「なんでもイイから、食べさせてやって〜」状態。でも、彼女のニーズに応えるのは、母親の私の役目な
ので、Gのオムツとお乳の間にGを抱きながら、フードスタンドに行って、Jの食べそうなものをゲットしては、届けたりしていました。
結局ちょっと撮影時間はオーバーして、午後3時45分、この日の撮影は終了。お疲れさまでしたぁ〜〜(ボロボロの私)
翌日の撮影は、8時45分入り。でも、前日の朝が慌ただしくて、現場で朝ご飯を食べようと思っていたのに、時間がなかったため、この日は8時25分には
ベースキャンプに到着して、フードトラックのケータリングに頼んで、ベーコン・エッグなどの朝食を、Jと一緒に、しっかり戴きました。まず、腹ごしらえっ
て感じ(^^)
そして、撮影が始まったのですが、撮影開始から一時間くらいで、Jが "I quit!(やーめた)"って、ストをおこしちゃいました(^^;)
街角のフルーツスタンドで働くおじちゃんから、オレンジを手渡され、それを受け取ってニコッて笑うシーンだったのですが、相手とのからみがあるうえ、こ
の日は風もあり、曇りのち晴れで、しょっちゅう撮影のライティングの調整が入り、撮り直しの連続・・・。リハーサルも入れれば、30テイクくらいしていた
ので、同じことを繰り返しするのに、飽きちゃったのでしょう。
そこで呼ばれるのは、私。カメラ、照明さん、垂れ幕、音声さん、スタッフ総勢50名くらいが囲む中に行って、「J、頑張ろうよ、ホラ、みんなJがやるの
を待ってるから」とかナンとか激励。まぁ、仕事が始まって間もないせいか、ホンの数分でJのご機嫌は直ったのですが、まだ一日は始まったばかり・・・。
ちょっと先が思いやられたものでした。
この日の撮影は前日に比べスケジュール通りに進んだのか、ランチタイムも、1時間あり、ちょっとゆっくり。午後には、子供と親のエキストラを入れた撮影
のため、昼ごろにはベースキャンプは人で一杯になっていましたが、きちんと食事ができました。
そして、午後の撮影は最初にエキストラの人たちのリハーサルが入ったせいで、Jはランチのあと、さらに30分くらいスタンバイ時間がもらえました。ベー
スキャンプには、ちゃんと主演者4人(Jと、Saemiさん、ナディアちゃんと、パパ役の人)の名前が付けられたトレーラーがあり、Jも、一丁前にトイレ
とTV付きの個室をもらっていたので、そこで弟のGと一緒に、しばし休憩したのでした。
ランチあと、お昼寝中のJとG
午後の撮影は、CMの最後のシーンで、Jとママがプレスクールに到着するという場面。バックには、エキストラの人たち
(子供と親、数組)が、それぞれの動きをします。うしろの動きと、Jとママ役の人の動き、全体が決まらなければならないため、何度も撮り直しが続いたよう
で(午後の撮影では、お助けジゼルが帰ってしまっているため、私は一人、よって撮影を見る余裕はなかった)、1時間もすると、現場から "We
need Mommy!(ママが必要です〜!)" と、呼ばれてしまいました。
さすがに、CM撮影二日目のラストシーン、Jも疲れたのか、飽きたのか、かなり不機嫌。でもって、Gもご機嫌ななめで、Gを抱きながら、スタッフたちが
囲む中央(Jの立ち位置)に入り、みんなが見つめる中、Jに「ね、あとちょっとだから、頑張ろう。これが終わったら、マクドナルドでアイスクリームを買っ
てあげる!」と、モノで釣り、どうにか復活してもらいました。
実際にJがストを起こしていた時間は数分だったのですが、3回くらいストを起こして呼ばれたので、その度に撮影を中断して、スタッフとエキストラの人た
ちに囲まれ、見つめられている中での説得は、すっごく長い時間に感じられました(^^;)まわりの視線が痛くて・・・。
でも、撮影の合間には、とっても不機嫌なJなのに、ディレクターの「アクション!」の掛け声と共に、パッと別人のような笑顔になるのを見て、我が子なが
ら「すごぉい・・・」と思ったものでした。そしてまた、ディレクターの「カット!」の声と共に、背負っていたバックパックを放り出して、プンとふくれっ面
になるのも、すごいと思いました(ー。ー;)
ーーーこうして、私たちの長〜い2日間は終わりました。撮影の帰り、私はもう、速攻で直帰したかったのですが、Jとのお約束です。マクドナルドに寄り、
アイスクリームを買ってあげ、食べてから帰路につきました。本当に、本当に、お疲れさまぁ〜<Jと私、そしてG
あとはCMが出来上がり、オンエアされるのが楽しみです(^ー^)。
*11月中旬以降、このCMは韓国語、ベトナム語、広東語、北京語など、ア
ジア系のチャンネルでたくさん放送されています。大変残念ながら、日本語放送では流れていませんが、実際に「JのCM、見てみたい!」と思われる奇特な方
がいらっしゃいましたら、月曜〜木曜日の朝、日本語放送(チャンネル18,6:30~8:00am)のあと、30分の韓国語の幼児番組がありますが、その
番組終了後、つまり、8時28分〜30分くらいに、ほぼ毎日オンエアされているようなので、チェックしてやってください〜*
----つづく----
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