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Baby Model Story  
たからもの物語 [10] テレビCMの仕事、ご指名(=オーディションなし)のプリント仕事など


   
J、2歳と一か月。盆踊りに行くので、じんべいサンを着ました。


2001年3月。
日本のTVCM、アメリカのTVCM

2月下旬に日本向けのTVコマーシャルのオーディションがあった。モノはカゴメの六条麦茶。出演モデルの対象は、2〜3歳児の「日本人に見える男の子」だったのだけど、当時まだ一歳8か月だったのに、なぜか写真選考を通ったJは、そのままカメラテストの1次オーディションも通り、更にカメラテストで演技を要求された2次オーディションにも受かってしまった(@@)
そして更にJは、CMの最後のカットで、アップで麦茶を飲む役だとかで、わざわざ撮影前に制作会社に呼ばれ、Jの顔のサイズと、持つコップの大きさのバランス・チェック。これだけでも「足代」というか、オフィスの方に出向いた料の50ドルが支払われ、撮影の方は3月6日、7日の2日間で、一日500ドルX2=$1000だそう。私としたら、ちょうど5月には日本に行くので、そのころ日本で見れる!と思って、お金とかよりも、そういうことが嬉しくて(アップの予定だし!)、わくわくしました。日本のおジイちゃん・おバアちゃんにして見たら「ギャップのモデル」じゃピンと来なくても、「カゴメの麦茶のCMに出た」なら、きっとわかってくれる気がしたし(笑)
なのに、なのに!! 撮影当日、なんとJの麦茶を飲むアップシーンは、「男の子」でやることに変更されちゃって、Jの出番はなし(;;)撮影の初日、スタジオに一時間ほどいただけでお昼を食べて帰され、翌日の撮影は「来なくていい」。でも、ギャラは2日分($1000) +50ドル、ちゃんと支払われました・・・。友達に言わせたら「そりゃ、ラッキーじゃない。なにもしなくて大金稼いで!」だけど、親心としては、「出演してこそ嬉しい」だから、心、沈んぢゃいました(ぶーっ)

3月中旬頃から、Jの出演したアメリカの大手不動産会社、Re/Max のTVCMがたくさん流れ始めた。それこそ毎日のように、プライムタイム(日本で言う、ゴールデンタイム)でしょっちゅう目にした。20人以上出演した赤ちゃん達の中で、顔がわかるのは数人・・・。そして幸い、Jはちょっと遠目だけど、10秒モノ、15秒モノ、そして30秒モノ、すべてのバージョンで出演してて、私は大喜び! 「でかしたぞ!」って感じでした。だって、撮影されても、カットされちゃったり、後ろ姿で顔が見えなかったりって、映画、TVの撮影ではありがちな不幸ですもん。

3月下旬になったら、Jのやったアメリカの大手有名デパート、Macy's の広告写真を目にすることになった。まず、3月21日の地元の最大手新聞、LA Times に載り、ここ、また、Macy's のカタログ用だったと思っていた、去年の撮影分の奴は、3月25日の LA Times のカラー広告だった。ここ

4月は、またMacy"s のオーディションに呼ばれたけれど、このときは衣装がJには大きすぎて、親のひいき目で見ても「だめでしょう(^^;)」で、だめ(笑) また全国ネットで流されるTVCMのオーディション(Dasani Water) があり、これはけっこう手ごたえが良かったんだけど、だめ(;;) Disney catalog のハロウィーン編に、去年に引き続き呼ばれ、今回は去年のような「かぶりモノ」じゃなくて、シンデレラのドレスのような衣装で、とっても可愛らしかったんだけど、ちょっとサイズ的にJには大きすぎて、これも受からず。不発の4月でしたっ。。

夏〜秋
オーディションなしで、仕事が来るようになった・・?

5月にも、またまた Macy*s のオーディションに呼ばれたのだけれど、これは日本への一時帰国とスケジュールが重なってしまうため、こちらからお断わり。

6月になると、全米とカナダ、プエルトリコにチェーン店を持つ靴屋、Payless Shoes の店舗内用のパネルの仕事が入りました。なんと、オーディションなしで、「仕事」。をぉ〜ご指名かぁ〜、と、嬉しかったです(^^)。

でも、この撮影の2日前、娘はまたまた熱せいけいれんで救急車で運ばれてしまい、あとでわかったことだけれど、このときの熱は、「突発性発疹」によるもので、この病気(原因は不明とされている)の特徴は、熱は出るけど、本人はけっこう元気だったりすること。さすがにけいれんを起こしたときは意識はないし、ぐったりしちゃうけど、救急病院について、解熱剤をもらったら、もう起きだして、歌を歌っているほど元気。 ドクターも、「これじゃ、なんの検査もいらないでしょう。大丈夫」ということで、すぐに帰宅させてくれて、また、2日後の撮影のこともたずねたら、「熱がないようなら、大丈夫でしょう。ただ、無理はしないように」と言われました。
そして、撮影当日、熱は下がっていたものの、親としては心配は尽きないうえ、撮影が市内のスタジオじゃなくて、野外のロケ地だというのも、ちょっと「行きたくない」理由・・でも、撮影をキャンセルしようにも、月曜朝一からの撮影で、断わりの連絡ができない。発熱してたら、もう事後報告で、事務所に「行けませんでした」と言うつもりだったけれど、熱は引いていたので、とにかく撮影現場に、いくだけ行ってきました。
でも、ロケ地は遠く、思いのほか待たされ(2歳を過ぎたので、撮影現場にいていい時間が法的に「長くなった」為、撮影の順番が「一番(赤ちゃん〜2歳未満児)」じゃなくなったのですよ)、なんだかだんだん娘の元気がなくなってきたので、私は怖くなり、撮影されずに、ぶっちぎって帰ってきちゃいました(^^;)<もちろんディレクターに、「娘の体調が悪いので」と、断わってね。
帰りの車に乗るや、2分で爆睡した娘は、元気がなくなったように見えたのは、ただ単に「眠くなっただけ」らしく(そうね、朝6時に起きてたもんねぇ・・)、私はホッとしたのですが、今回、撮影はロケで山の中。万が一娘がまたけいれんを起こしたらと、もう冷や冷やの私は、今後、彼女の体調がすぐれないときは、何がなんでも仕事はキャンセルと、心に決めました<教訓

と、この仕事、ご指名をいただいたのですが、撮影はされず。でも、ギャラは「最低保証の2時間」ちゃんともらえました。撮影されていれば、この秋、全米、カナダ、そしてプエルトリコにあるPayless Shoes のお店にパネル写真が飾られたのになぁ〜と残念ですが、ま、仕方ありません。

7月には、マクドナルドのテレビCMのオーディションがきたっ! 
決まれば、世界中で放送されるバージョンらしい。もちろんユニオン(組合)の仕事だから、residual(放送印税のようなもので、オンエアの度にギャラが派生する)がもらえる。「世界中で放送されるCM」のresidual なんて、一体いくらくらいになるんだろうか? お金のために子供にモデルをさせているわけじゃなけど、これはやっぱり、楽しみなこと。

でも、このオーディション、私が「赤ちゃんモデルのママ」になって以来、初めてというか、一番悔しい結果となりました。TVCMのオーディションの場合、最低でも2回はオーディションされるようで、第一オーディションは、たいてい何人かの子供が一緒に受けるのね。で、Jと一緒(この日は、2人の赤ちゃんと、パパ役の男性一人、3人組でのオーディションだった)に受けた子供が、オーディション、初めてだったらしくて、まずJにカメラが向けられて、ママの私がJの名前と月齢を言ったとたん、そのもう一人の子供が泣きだしちゃって、スタッフも、一緒のオーディションのパパ役の人も、その子を泣きやませるのに必死。
結局、その子がびーびー泣いたため、本来なら、そのパパ役の人とのからみで(パパに抱っこされるとかのシーンをやるはずだった)オーディションだったのに、「もう時間もないし、けっこうです」と、パパ役の人はちゃんとカメラテストを受けられたのに、Jにはちゃんとしたオーディションをしてもらえなかったのです。
もう、仕事が大きい分、親としての期待も大きく、それなのに、まともなチャンスも与えらもらえずに、心から悔しかったです。完全、不完全燃焼!ってやつ? 悔やんでも仕方がないとはいえ、マジ、あの泣いた子供が恨めしかったです(>。<)

8月の終わり、今度はディズニーカタログの仕事が来た。これもご指名。つまり、オーディションなし。でも、ディズニーカタログの仕事は、今までは必ずオーディションを受けて、オーディションで衣装を合わせ、サイズの確認とかもするので、主人と私は「じゃぁ、モノは靴とか?」と、ご指名にも関わらず、手放しで喜ばない状態(^^;)

そして撮影当日。撮影現場に行くと、Jと同じくらいの月齢の東洋人の女の子が来ていた。私の胸をよぎったことは「この子とJ、どっちがプリンシパル(メインモデル)なんだろう」ということ。ディズニーの撮影では、メインとして選ばれたモデルと、その子でうまく撮影出来なかった場合の代役として、必ずバックアップが呼ばれるから。また、待ち時間中に、もう一人の子のママに、「この仕事、オーディション、行った?」と聞いたら、「行った」と言われたので、ナンでJは、オーディション、なかったのかなぁ〜と、不思議に思うコトしきり。

この日の撮影、J達が一番らしく、他に子供モデルは来ていなくて、大人のモデルさんがいるだけ。私は「果たして、どっちの子供(Jか、もう一人の子か)が先に呼ばれる=プリンシパル=メインモデルかしらん?」と、様子を伺っていた・・・。ら、「J。こっちに来てくれるぅ〜」と、呼ばれましたっ!!! 「やた!プリンシパルだっ!」 でもって、衣装部の方に行ったら、ちゃんと「服」が用意されてましたぁ〜(ママ、嬉し泣き<笑)「靴じゃ、なかったぁ〜(顔が、写る)」って、本気で嬉しかったのでした。
で、この日の衣装は、長袖長ズボンの部屋着というか寝巻みたいなの。悲しいかな、Jは日本人なので、ちょっとアメリカ人サイズだと手・足が長いので、Jの衣装、現場で手と足、ちょっと切られて直されていました(笑)
撮影は順調で、「J、足を組んでくれる?」とかカメラマンに言われれば、ちゃんとそのとおりにするし、はたで見ていて私、「この子ってば、もう立派なプロ!」と、親バカに感心しておりました・・。

この日のテストショット


この日撮影された写真は、11月上旬に出た、ディズニーカタログの77ページ載っています。バックにクリスマスツリーがあるので、多分12月頃まで、カタログには載ると思います(違うカタログだと、掲載ページは変わるかもだけど)。 カタログから取った写真は、ここです。
同じ写真は、DisneyStore.com の Sleepwear の子供のセクション、ここにも載っています。


----つづく----

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